筆に気を通す

合気道に出会い40年、書道に出会い16年になります。

現在は「合気流道」という独自の道を探求しているのですが、

剣を持てば合気剣、杖を持てば合気杖という教えは、今も強

く心に刻まれております。

 

師に教えを頂いた頃、「気を通す」ことの大切さを諭されま

した。書道を始めたのも、木刀を筆に持ちかえ気を通すこと

を体現したいという欲求に駆られた為です。つまり合気修行

の応用として書道を始めた訳です。

しかし書に取り組むにつれ、用筆・結体など最低限身につけ

なければならないことが多く、随分と時間だけが経過してし

まいました。

 

その間、師範という肩書きを戴き、展覧会にも挑戦してきま

した。漸く近頃、筆に気を通す感覚を憶えるようになりまし

たが、道場で指導させていただくまでには至っておりません。

 

筆に気を通す書道は、自己完成を目的とするものです。

合気流道と書で共通するものは「呼吸」ですから、気を通す

書を学ぶことは、一人稽古をしていることと同じことになり

ます。

 

筆を持てば「合気書道」。

書を学んだ呼吸で人を投げ飛ばせるようになったら愉快な

ことです。